整形外科の主な疾患

■スポーツ障害・スポーツ外傷

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    • 【 特 色 】
      周辺地域の学生やスポーツクラブの方々をはじめ、近隣には青少年の研修施設やサッカー競技場があるため、多くの靭帯損傷等のスポーツ外傷の患者様が来院されます。
      他県など遠方から遠征に来られている患者様に対しては適切な診断と初期診療を行い、ご在住近隣の医療機関に速やかにご紹介をさせていただいております。
    • 【 概 要 】
    • 打ち身や捻挫、骨折等について適切な診察、検査(レントゲン撮影、ストレス撮影、超音波検査、CT撮影、MRI撮影など)、治療(保存的加療・必要に応じて手術加療)を行います。
    • スポーツ選手を悩ませる慢性的な腰痛や、関節の痛みについて適切な診察、検査、治療を行います。特に、成長期における腰椎分離症、離断性骨軟骨炎などの適切な診断と治療を心がけています。
    • 外傷後・障害後のリハビリテーションを医師と理学療法士をはじめとした多職種連携により行なっています。
    • 創部(擦過傷・挫滅創)に対しては洗浄し、清潔を保つことにより感染を予防し、湿潤治療によりの治療を目指します。創部の挫滅が重度の場合には形成外科との連携を行います。
    • 注1) 保存的治療が可能な外傷に対しては、適切な応急処置(RICE)や、ギプス等による外固定を第一選択として治療を行います。
      注2) 関節の中の骨折や、転位の大きい骨折等には適切な内固定材料を用いて手術を行っております。
      参考:日本整形外科学会ホームページ:RICE処置

      担当医師
      檀浦生日 (日本鋼管病院整形外科顧問・非常勤医師)
      檜谷義美 (常勤医師)
      檜谷 興 (常勤整形外科医師)

■高齢者の骨折

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    • 【 特 色 】
      一般病床にて入院加療後、後方支援病床や施設として、療養病床・老人保健施設・サービス付き高齢者向け住宅・特別養護老人ホーム等が充実しておりますので、患者様の在宅復帰までシームレスな対応が可能です。
    • 【 概 要 】
    • 高齢者に多い脊椎圧迫骨折をレントゲン検査・MRI・CT検査により適切に診断し、コルセット作成・リハビリテーションによる加療を行っています。
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    • 股関節周囲骨折等(大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折)に対しては早期手術、早期離床、在宅日常生活復帰を目指し積極的な治療・リハビリテーションを行っております。
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    • 手首の骨折(橈骨遠位端骨折等)に対しては近年、プレートによる早期手術により、早期リハビリが可能となっております。当院でも患者さまと保存的治療(ギプス固定)か手術治療かを十分に相談した上で、治療方針を決めております。
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    • その他の上肢・下肢の骨脆弱性骨折に対しても必要に応じてギプス固定や手術加療を行い、早期リハビリテーションを行なっております。
    • 担当医師
      檀浦生日 (日本鋼管病院整形外科顧問・非常勤医師)
      檜谷義美 (常勤外科医師)
      檜谷 興 (常勤整形外科医師)

■腰の慢性的な痛み

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        • 腰痛:日本人の最も多い愁訴とされています。原因は所謂「ぎっくり腰」や「(椎間板)ヘルニア」「(脊柱管)狭窄 症」など様々です。診察・検査で痛みの要因を特定し、内服・湿布・ベルトなどを用いて治療します。疾患によってはトリガーポイント注射、硬膜外ブロック注射、神経根ブロック注射をお勧めすることもあります。

■膝関節の慢性的な痛み

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    • 膝関節痛の原因として、所謂加齢や関節の酷使などによる変形性関節症や、石灰(カルシウムの結晶)が関節や腱に沈着する疾患(偽痛風や痛風関節炎など)、それに関節リウマチをはじめとした膠原病があります。診察・検査でそれら痛みの原因を特定し、まずは保存的加療(ヒアルロン酸や麻酔薬などの関節内注射、内服・湿布等)を行います。

      <保存的加療を行っても症状が継続する場合>
      変形があまり進んでいない症例には、小さな傷で内視鏡手術 で関節の中をきれいにします。半月板という膝の軟骨のクッ ションが痛んでいる場合にはそれを丁寧にトリミングして膝の障害がそれ以後、最小限となる様にします。それでも疼痛が再燃する場合には年齢や活動度に応じて骨切り手術や人工関節手術治療をお勧めしております。
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■肩関節の慢性的な痛み

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        • 「五十肩」と思っていらっしゃる患者さまの中には、肩の使いすぎによる炎症や、肩が硬くなってしまう凍結肩、石灰(チョークのようなものです)沈着症、そして肩の安定化を図る腱板の断裂を起こしている患者さんもいます。肩はさまざまな動きができる大変繊細な関節です。原因を見極めて治療をすることが大切です。
          使いすぎの炎症や凍結肩:肩関節周囲炎の患者さまには肩の炎症を和らげる注射を行い、リハビリを行います。

          石灰沈着(石灰性腱板炎):疼痛が強いのが特徴ですが、 当院では超音波等で石灰を確認し、針での吸引や、麻酔薬を用いてパンピングをして散らすことが治療の主体となります。疼痛が残存する場合は関節鏡による手術も考慮します。

          肩腱板断裂:肩を安定化させ、挙上や回旋させるための筋肉 の腱を腱板といいます。転んで手を突いたときや、重たいものを急に持ち上げた時に断裂することがあり、それを腱板断 裂といいます。ご高齢の患者さんでは明らかな外傷がなくて も除々に断裂が進行するものもあります。小さな断裂のものはまず注射やリハビリで保存的な治療を試みますが、症状が長引く患者さまや、中ぐらいの断裂以上の患者さまはその後の断裂の進行が予想されるため、内視鏡手術をお勧めしております。
          変形性肩関節症:軟骨が著明に磨り減っている変形性肩関節症の患者さまには人工関節置換術等を行い、痛みをとることを考慮します。

■股関節の慢性的な痛み

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      • 股関節の痛みの原因として、生まれつき股関節のかぶせが弱い臼蓋形成不全症や、加齢や酷使によって進行する変形性股関節症、ステロイドの内服や大酒家の患者さんに多い大腿骨頭壊死などの病気があります。
        いずれの場合にもまずは生活指導や一時的な免荷、内服加療やリハビリテーションによる保存的加療を行います。
        症状が改善せず、日常生活に影響を及ぼす場合には、膝関節や肩関節と同様に年齢や活動性に合わせた手術加療を考慮します。
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■手足のしびれや、力が入りにくい

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      • 手足のしびれの原因には、脳から、あるいはそれよりも抹梢での神経の障害に分けられます。
      • 脳から:当科受診にて診断されれば、当院の脳外科にご相談させていただきます。
      • 脊髄から:手足のしびれや力が入りにくい場合には頸部~腰部での脊髄神経根の障害の可能性があります。
        単純レントゲンによる脊椎の不安定性の確認や、必要に応じた高精度MRIによる正確な神経の障害部位の固定やその程度の確認を行います。まず内服や神経ブロック等による保存的な加療を行いますが、症状が長引く場合、あるいは麻痺が進行する場合、あるいはおしっこや便がふんばってもでないなどの症状がある場合には手術も考慮します。
        連携している病院の専門の先生に来ていただき手術をしていただくことも可能です。患者さまの状態に応じて、ご相談の上、最善の方法を一緒に考えていきましょう。
      • 上肢、下肢末梢神経の通り道が狭いことによるしびれ:「手根管症候群」手首の手根管という手首の神経の通り道での神経の障害で人指し指と中指と薬指がしびれます。まずは内服や注射で経過を見ますが、症状が進行性の場合には手術にて症状を取り除いたり、進行を抑制します。当院では内視鏡を用いて約1cm弱の切開での手術も可能です。神経障害の程度によって治療方針を考慮しますのでお気軽にご相談ください。
        「肘部管症候群」の肘部管という肘の神経の通り道での神経障害で小指のしびれが生じます。よく肘を使う仕事をされる患者さまに多く診られます。まずは内服加療をしますが、しばしば進行性であるため手術を要することが多いです。お気軽にご相談ください。
      • 「下肢のしびれ」:下肢にも上肢と同じく、神経の通り道があり、そこでの神経の障害により様々な場所にしびれを生じます。上肢に比べて手術を要することは少ないですが、注射等効果的な場合も多くあります。お気軽にご相談ください。

■手指のこわばり、リウマチの疑い

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    • 多くの症状は「使い痛み」や「加齢による痛み」で片付けられることが多いですが、見逃してはならない病気として「関節リウマチ」を始めとする膠原病(免疫の病気)があります。
      主に手指のこわばりや腫れがおきますが、肩・肘・股・膝・足といったより大きな関節にのみ症状が起きるものも近年多く報告されています。関節リウマチは治療が遅れると、寿命にも影響があることも報告されております。当院では、血液検査や各種画像診断と合わせて膠原病を見逃さないように注意して診療を行っております。内科とも連携しつつリウマチの治療(免疫抑制剤や生物学的製剤、リハビリ等)を行っております。
    ※また当院のみにて対応が困難な症例については、近隣の公的病院や岡山大学病院とも連携をとりながら治療いたします。
    症状の気になる方はいつでもお気軽にご相談ください。