もの忘れ外来(認知症外来)

微妙な脳障害:認知症
おじいちゃんおばあちゃん、あなたのまわりの家族で、あれ?最近物忘れが多い・・認知症じゃないかな・・?って不安になることありますか?身近な家族だからこそ早く気付いてあげたいですよね。

以前健康まつりで、脳外科専門医の申正樹先生により 「微妙な脳障害:認知症」 と題して講演をしていただきました。大変わかりやすい内容で好評をいただきました。そこで、今回は、その講演をもとに申先生に認知症って何だろうから予防・治療法までお話をしてもらいました。

認知症って何だろう

「認知症」って、分かっているようでよく分からないのですが・・・
「認知症」は2004年、厚生労働省の用語検討会によって「痴呆症」から言い換えられた、日本語として無理があることばです。よく分からなくてかまいません。物忘れがひどくなったり、性格が変わって人の言う事をきかなくなったりして生活上困った状態になったことを「認知症」というのだと考えてください。
物忘れは私もします。認知症ですか?
そうかも知れませんね(笑)。自分が認知症かも、と心配なら「今日は西暦何年の何月何日何曜日」をそらんじてみてください。
そんなことが分からなくなるなんて・・・
実際、答えられなくてごまかす患者さまは多くいます。記憶力が低下しても取り繕うのが上手な場合「今日は何月何日?」と聞くと「どうしてそんなことを聞くのですか?私をバカにしているのですか」と切り返したりします。気付かれないうちに日付が分からない状態まで進行していることは珍しくありません。
認知症かどうか、あやしい時は?
最初にあやしいと感じるのは最も身近にいる人です。長男夫婦の家に姑が同居、といったケースではお嫁さんのことが多いです。かなり進行しても、例えばお正月に里帰りした娘さんが母親の認知症に気付かず、お嫁さんの「お義母さん、認知症かも」という発言によって人間関係にトラブルが起こるという例も多くあります。あやしいと思ったら、まずは一番味方になってくれる身内、それから認知症のことをよく理解している医師に相談しましょう。
予防方法はありますか?
「今日が何月何日」が分からなくなるのは日付を意識しないからです。何もしないで日々を過ごすことが幸せかどうかは人それぞれの価値観ですが、少なくとも認知症予防のためには「新聞に目を通す」、「楽しみなテレビ番組をチェックする」、などの習慣はあったほうが良いでしょう。
治療方法はありますか?
認知症は人間尊厳に関わる問題なので、そういう配慮ができる医師に受診してください。そのうえで認知症と考えられれば程度と内容の評価、原因検索と進んでいきます。アルツハイマー型の場合、進行を食い止める薬があります。脳梗塞などで脳機能がまだらに障害されている場合はリハビリテーションも有効ですし、高血圧などの治療も大事です。慢性硬膜下血腫や血糖異常など原因治療で治ってしまう認知症もあります。その方に合った治療が必要なので、まずはお気軽にご相談ください。
もの忘れ外来(認知症外来)

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主な担当医:申 正樹